Thursday, May 24, 2012

Justice: What's The Right Thing To Do? Episode 01 "THE MORAL SIDE OF MURDER"




【内容紹介】

この動画では、ハーバード大学の超人気講座を視聴できます。「政治哲学」という一見小難しそうなトピックを、Sandel教授はイメージしやすい例を用いて、受講者たちが既に築き上げた価値観を揺さぶらせます。例えば「5人を助けるために1人が犠牲になることは仕方ないのか」というエピソードから、「なぜ賛成(反対)なのか」「どのように1人を犠牲にすれば許されるの」などといった発展性のある発問へと広げて、utilitarianism(功利主義)の導入をしています。そして、イギリスのミニョネット号難破事件での食人についてのディスカッションへと移行することで功利主義の是非を考えます。
受講者に知識を詰め込むのではなく、思考を働かせることによって抽象的な概念をより身近な問題として取り上げさせる教授の手法はソクラテス的対話(小林, 2011 , p.53)と自ら呼んでおり、注目を集めています。Episode 02以降もYoutubeに掲載されているので、興味のある方はぜひ続きも視聴して下さい。難しいと思われる方は教授の書籍を併用することもお勧めします。


【印象的な英語表現】

You'll become a more effective participant in public affairs. But ... political philosophy doesn't work that way. You have to allow for the possibility that political philosophy may make you a worse citizen.

とても矛盾に満ちているようですが、哲学を学ぶことで私たちが既に知っていることを別の見方から考察し、その結果自分の考え方に奇妙さを感じる様になることがあります。そして、その奇妙さを1度感じたら、もう二度と元には戻りません。本コースを受講する学生たちに哲学を学ぶ前に伝えたいことを講義の最後に伝えることで、受講生たちもこの言葉の重みをより受け止めることができると思います。



【紹介者】
mochi

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