Wednesday, February 29, 2012

Marcel Marceau



http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=_lF0XMCssG0


【内容紹介】

マルセル・マルソー(Marcel Marceau)はフランスのパントマイム・アーティストである。この芸術形式における第一人者で、近代パントマイムでもっとも有名な人物のひとりである。「パントマイムの神様」「沈黙の詩人」と呼ばれた。 (wikipediaより引用)
この動画では、彼のパントマイムの作品2本を見ることができる。1本目は街中での社交ダンス、2本目はサーカスである。彼の身体言語の表現力は、まるで、人類には言語が必要ないかのような錯覚を覚えさせる。
2:30~の部分では、1人で、男女が社交ダンスを踊っている最中に、女性が男性のポケットから財布を盗もうとするところを演じる。言葉ではわかりにくいので、実際に見てもらいたい。その指先・手首の動きは、まるで一人で演じているとは思えないような錯覚を、私達に引き起こすだろう。また、その演じる対象が2人から1人へのスイッチするのは突然であるにもかかわらず、我々には違和感なく、スッと理解できてしまうのである。
また、4分あたりから、2本目の作品に変わる。演者は彼だけであるのに、そこにはライオンが見えてくるのである。彼の芸は伝統的であり、現在の我々の笑いに通じるものが多くある。実際に、彼の表情、動きは大変面白い。見ているものを惹きつける彼の身体言語は必見である。
また、9:20から、その舞台の司会者にインタビューを受ける。しかし、彼はピエロなので一切喋らない。しかしながら、そこには笑える芸が展開されるのである。言語無しでも笑いは引き起こせる。むしろ、万国共通の鉄板なのかもしれない。

【印象的な英語表現】
When I go out the street and take off my outfits, nobody recognizes me.
彼は何処でも有名だが、そのメイクを落としてしまえば、誰もが彼と気付かない。ピエロ故の彼の悩みである。

【紹介者】
Ryochin

Kevin Allocca: Why videos go viral












http://www.ted.com/talks/kevin_allocca_why_videos_go_viral.htmlのURLをクリックして、TED本体に行くと、画面右横上のopen interactive transcriptで文字から音声・画像も呼び出せます。


【内容紹介】

インターネット上にはYouTubeやニコニコ動画など誰でも動画をアップロードして世界中の人々と共有できるサイトがあります。これらを日常的に使用している人はかなり多いのではないかと思います。特にYouTubeでは世界中の人々が毎日様々な動画をアップロードしており、総動画数は数えきれないほどです。そんな数えきれない動画を抱えるYouTubeの中で、みなさんは何百万回も再生回数されていて、且つネット上で有名になっている動画を見たことはありませんか。

今回紹介するこの動画の講演者Kevin AlloccaはYouTubeのトレンド・マネージャーで、何故一部の動画は爆発的にヒットするのか、その理由を教えてくれます。
彼によると、理由として
1. Tastemaker
2. Communities of participation
3. Unexpectedness

が挙げられると言います。
そして本動画内では実際にYouTubeで有名になった動画を見せながら、これらの理由を説明していきます。

私自身YouTubeやニコニコ動画に自分の動画をアップロードしており、この動画が非常に興味深く感じられたため今回紹介をしました。
mixiやTwitter、facebookなど情報を様々な人と共有することのできる現在、あなたの「イイネ!」のワンクリックや一つのツイートがある動画を爆発的にヒットさせる起爆剤になるかもしれません。


【印象的な英語表現】

These are not characteristics of old media and they are very true of the media today.

この表現はTwitterやfacebookなどが急激に発達してきた「現代」だからこそ、動画の爆発的ヒットが可能になったのであって「過去」においては実現不可能であったということを示しています。


【紹介者】
ルーレイロ

Blaise Aguera y Arcas demos augmented-reality maps












http://www.ted.com/talks/lang/en/blaise_aguera.htmlのURLをクリックして、TED本体に行くと、画面右横上のopen interactive transcriptで文字から音声・画像も呼び出せます。


【内容紹介】

Blaise Aguera y ArcasはMicrosoftのSeadragonという画像ビューアを使って、大量のビジュアルデータを素早く操作できる環境を作りました。
この技術では写真だけではなく、テキストなども取り扱うことができ、雑誌や新聞などを閲覧するための新たな方法にも成り得ます。
次々と紹介される応用例の中で私が興味を持ったのは、Frickr(写真の共有を目的としたオンラインサービス)から得た画像データを使って3Dの地図を作る試みです。
画像動詞がハイパーリンクによって繋がれ、立体的に地図を形成します。
個人が撮った写真がこのテクノロジーによって一つにつながり、その総和以上の働きをするということに、感動を覚えました。
将来的に、この技術が普及すれば、学校の教室などでもより視覚的、直感的に世界の観察でき、教育の方法にも新たな可能性を与えるのではないでしょうか。


【印象的な英語表現】
and they make something emergent that's greater than the sum of the parts.

【紹介者】
Nagatarian

Tuesday, February 21, 2012

Sebastian Wernicke: 1000 TEDTalks, 6 words












http://www.ted.com/talks/sebastian_wernicke_1000_tedtalks_6_words.htmlのURLをクリックして、TED本体に行くと、画面右横上のopen interactive transcriptで文字から音声・画像も呼び出せます。

【内容紹介】
TEDには、今や1,000以上もの動画が存在し、私たちの好奇心をくすぐってくれる。
しかしながら、その全てのトークを知るには莫大な時間と費用がかかる。
それを解消する術がないかと考えたWernickeは、Ernest Hemingwayが過去に
"For sale: baby shoes, never worn"が最高傑作だと語っていたことや
6語で自叙伝を作るプロジェクトから、6語でTED Talksの動画をまとめることができないかと考える。

TEDでは一つのTalkで、平均2,300語が話される。
これを6語でまとめることは、無理な行動であるかもしれないし、
要約をまとめたものををリストアップするとまた膨大な量になってしまう。
これをどうまとめればよいのか、
それを考えさせる一つの提起として考えると、
日常にある煩雑なことをまとめるためのヒントをくれるのではないか、と私は思う。

【印象的な英語表現】
We could have been done by lunch here.

ある提案をしたときに使用したこの言葉。
さっさと片付ければ、すぐに終わると言いたいのでしょうか。
6語で全てがつかめれば、「【昼】飯前」でしょうに。

【紹介者】
Dn.Scott






【内容紹介】

Sebastian Wernicke は、どんな長い内容も6語で要約することが出来ると考えた。
それは、Hemingwayが6語で考えた小説、For sale; baby shoes, never wornであったり、
ある人の自叙伝などはFound true love, married someone else.というものに集約できることに由来する。

数多くあるTED全体の内容を6語に集約しようとするものの、そのためには多くの問題を解決しなければならない。
予算であったり、手間であったり、集約する言葉であったり...
Sebastian Wernicke は99.50ドルを支払うことで、6つの要約文まで絞り込む事が出来たが、その6つの文はどれもがTEDの特質であり、省くことが出来なかった。そんなとき、その6つの要約文から浮かび上がってきた6つの単語をつなぎ合わせると、彼は最後の答えに行き着いた。
Why the worry I'd rather worry


【印象的な英語表現】

For sale; baby shoes, never worn
これはこのスピーチの人の言葉では無く、Hemingwayの言葉である。
この言葉について調べたのだが、Hemingwayが作った、これで完結した物語である。
言葉は様々な解釈の幅が存在することから、重ねれば重ねるほど、物語はその解釈の幅を狭めていく。
この物語は6語で構成されている。様々な解釈を許す。
この物語は、非常に多くの想像を掻き立てる。たった6語で、ここまで表現できる、言葉の力に凄さ。


【紹介者】

Ryochin

Shawn Achor: The happy secret to better work












http://www.ted.com/talks/lang/en/shawn_achor_the_happy_secret_to_better_work.htmlのURLをクリックして、TED本体に行くと、画面右横上のopen interactive transcriptで文字から音声・画像も呼び出せます。


【内容紹介】
「みなさんは普段「どのようなレンズを通して」世界を見ていますか?」
恐らくこう聞かれて多くの人は、私たちが世界を見るために必ず通している「レンズ」の存在に気付いていないため、戸惑ってしまうかもしれません。
私たちは世界をある「レンズ」を通して見ています。そのレンズの種類によっては世界を否定的にとらえたり、また逆に肯定的にとらえたりします。この動画では普段気にすることのないこの「レンズ」を変えることで、自らの世界の見方を変え、そして自分自身を変えることができることを教えてくれます。
またShawn Achorの話し方には聞き手を非常に惹きつける力があります。様々なジョークを織り交ぜたり、イントネーションや表情を巧みに駆使する彼のプレゼンからは内容以外にも学べるところが多いのではないでしょうか。
さてあなたはどんな「レンズ」を通してこの動画を見ますか?


【印象的な英語表現】
See what we're finding is it's not necessarily the reality that shapes us, but the lens through which your brain view the world shapes your reality. And if we can change the lens, not only we can change your happiness, we can change every single educational and business outcome at the same time.
この表現は内容を的確に且つわかりやすく表現している部分だと思ったために引用しました。世界を見る「レンズ」を変えることで、私たちが見る世界を、そしてまた私たち自身をも変えることができるのですね。


【紹介者】
ルーレイロ








【内容紹介】
幸福と成功の関係性について紹介している動画です。話者は幼少期に家で妹と繰り広げたやりとりをきっかけにポジティブ心理学というものを発見しました。人の幸福の度合いとは環境が決定するのではなく脳が周囲の環境をどう処理するかにかかっているというものです。例えば暗い話題ばかり流れるニュースばかりを見ていると脳が現実はネガティブなことばかりだと思い込むが同じ状況でも楽しい人と楽しい日々を過ごしていると脳は現実を幸福と考えるというように。
ありがたく思うことを毎日新たに3つずつ書くということを21日間続ける、過去24時間のポジティブな体験を日記に書くなど脳がよりポジティブになるよう訓練する方法も紹介されています。考え方を変えれば人生が変わるのです。


 【印象的な英語表現】
The absence of disease is not health. この一文に人の思考についてのスピーチの要素が込められていると思います。


 【紹介者】
Shu




【内容紹介】
これは今までで一番好きな動画かもしれません。ポジティブ脳が成功を導くということを主張している動画です。普通私たちは、「成功したら幸せになる」と考えて、成功しようと努力をします。しかし、頑張りすぎて、あるいはなかなか努力が実らなくて、ストレスを感じたり、諦めたりして、ネガティブな方に考えてしまうことがよくあるのではないでしょうか?
これからは、「成功の先に幸せ」ではなく、それを反転させた考え方が必要です。つまり、「幸せが成功を導く」のです。私はこの考えに賛成です。自身の経験上、ネガティブな考えのときには嫌な結果しか待っていません。そしてそれは重なるものです。きっとみなさんもそういう経験が多いと思います。
ですが、ただ単にポジティブに考えようとしても、難しいです。話者はポジティブ脳を作る1つの方法を紹介しています。
それは、ありがたく思ったことを一日3つ書くことを、21日間続ける、というものです。
ポジティブ脳は、幸福感を引き起こすだけでなく、あらゆる学習機能をオンにして、違うやり方で適応できるようにする役割を持つそうです。これが広まれば、世界のあらゆる問題も違った切り口で解決できるようになるかもしれないと思いました。


【印象的な英語表現】

If we study what is merely average, we will remain merely average.
私たちは何事も正常を平均とします。例えばデータを取ってグラフ化したときには、異常値は削除しようとします。人物にも同様に、平均を基準にするのではなく、平均をはるかに超える部分を積極的に追求することによって、その人物の何か秀でた才能を見つけ出すことになるのに加え、他の人も平均までにあげることにもなるという考えを主張しています。
本当はもっと引用したかったですが、長すぎたので動画で聞いてみてください。
ちなみに、脳科学者の茂木健一郎先生もある番組で、極論ですが「変人に従え!」という主張をしておられたのを見ました。全ての人には変人の芽があるのに、平均になろうとしてその芽を表さないということを言っておられました。ポジティブ脳とはまた違う話になるとは思いますが、ちょっと似ているなと思ったので紹介します。

【紹介者】
Akko








【内容紹介】

私たちは今まで幸福になるために努力し、成功しようと頑張っていますが、ショーン・エイカー氏はこれの逆だと述べています。幸福になることで実際生産性や成功の可能性を押し上げるというこ

とを楽しい講演の中で述べています。成功と幸福の関係を考え直すことで、よりよい人生を過ごすきっかけになるかも知れません。


【印象的な英語表現】

If happiness is on opposite side of success, your brain never gets there.
ショーン氏いわく、脳は成功の度にさらなる成功を再定義していくため、もし成功した後に幸せが訪れるのであれば決して幸せを感じることはないと言っています。この考えこそがショーン氏がこ

のテーマで考える大きな動機になったのではないでしょうか。


【紹介者】
Shige

Pranav Mistry: The thrilling potential of SixthSense technology











http://www.ted.com/talks/pranav_mistry_the_thrilling_potential_of_sixthsense_technology.htmlのURLをクリックして、TED本体に行くと、画面右横上のopen interactive transcriptで文字から音声・画像も呼び出せます。


【内容紹介】

プレゼンテーターのPranav Mistryは、第六感、すなわち「直感」に基づいて操作できるデジタルデバイスを探求しました。
彼は、日常生活において重要な位置にある「ジェスチャー」を、デジタル世界のために役立てようと考えたのです。

マウスのローラーを使った、「ジェスチャーをコンピュータに送る装置」
「アナログで書くと同時に、内容がデジタル化されるメモ」
「検索語を打ち込む代わりに、モノを乗せて関連情報を検索するgoogle map」
これらの様々な探求の末、彼は"Sixth Sense Device"を発明しました。

"Sixth Sense Device"
言葉で説明するには複雑すぎる(もしくは斬新すぎてイメージしにくい)デバイスです。
小型のコンピュータ、カメラ、プロジェクタを1つにしたデバイスで、私たちはこれを首から下げて使います。
両手の親指、人差し指に装着したカラーマーカー(指サックのようなもの)のジェスチャーを読み取り、プロジェクタから現実世界のあらゆる「平面」に画像を出力します。
例えば、写真を取る動作(指で四角のフレームをつくる動作)をするだけで写真をとれたり、本を手に取るだけでAmazonのレビューを参照したりできます。
"Sixth Sense Device"によって、私たちはポケットからカメラやスマートフォンを取り出すことなく(つまり、より直感的に)デジタルの世界にアクセスできるのです。

私がこの動画を紹介した理由は、私自身が以前から、「アナログとデジタルの円滑な接続」の必要性を感じていたからです。
「コンピュータが苦手」という人の多くは、現在のコンピュータの複雑な操作に引け目を感じているのではないでしょうか。
確かに、一昔前に比べると、スマートフォン等の普及によって、その「接続」は随分なめらかになりました。
しかし、デジタル世界へのアクセスを円滑に行なうには、テクノロジーについてある程度の熟達が必要です。
また、熟達した者にとっても、デジタル世界へのアクセスは未だ「一手間」かかるものであり、現在のテクノロジーの「直感性」が十分であるとは思えません。

デバイスの「直感性」を洗練させ、アナログ世界とデジタル世界の敷居を取り払うことは、ユーザーを拡大や、より大きなネットワークの構築を推進する重要な課題なのではないでしょうか。


【印象的な英語表現】

integrating these two worlds
(もちろん「2つの世界」とはデジタルの世界と、日常生活(アナログの世界)のことです)


【紹介者】
Nagatarian




【内容紹介】
実際の身体を使用したコンピューター技術について紹介した動画です。
この技術によりコンピュータ世界をより直感的に操作することができる
と語られています。

【印象的な英語表現】
We want to know about things. We want to know about dynamic things going around.

人間はすべての物事に関心があるはずであるという説明がなされています。大学生活で学びたいことを見つけ人間として当然の生活をしなければならないと痛感しました。

【紹介者】
セイント

Sunday, February 12, 2012

大学での学びを社会に開く ―英語動画紹介のWeb公開実践から―




以下の文章は、私が学内のとある報告書に書いたものです。このブログに関連するものですから、ここに掲載しておきます。

***

大学での学びを社会に開く
―英語動画紹介のWeb公開実践から―

柳瀬陽介(英語文化教育学講座)


1 言語ゲームの中の理解

ケースメソッド授業の利点は、学生に積極的な発言を求めて、彼・彼女らの理解を公的(public)なものにできるということである。従来の講義中心の授業では、発話するのは教師ばかりで、学生は講義内容の理解を自らの心の内で私秘的(private)に形成するだけであった。学生が自分の理解を表出し、理解の妥当性を他者と共に人々の前で共に吟味する機会がほとんどなかった。したがって、理解表出のほぼ唯一の機会である学期末の試験では、その「理解」を、この条件下で最も妥当な形で ― つまりは、教師が講義で述べた通りの形で ― 忠実に再生することが学びの慣習とすらなっている。早い話が「丸暗記」を学びのほぼ唯一の形態としているのだ。ゆえに学んだ内容は応用が効かないし、すぐに忘れ去られてしまう。このような暗記型の学習が、複合的で多文化的な現代社会に通用しないのは言うまでもない。

ウィトゲンシュタインも『哲学的探究』で述べるように、理解は、それぞれの理解が生をもつそれぞれの言語ゲーム(生活様式)の中で、他者と共に歴史的に形成され確認され修正されてゆくものである(注1)。理解とは、複数の人々がそれを共有しようと言語ゲーム(生活様式)を共にしてきた過去に根ざすものであり、その理解への新参者(学習者)は、その過去の慣例 (Gebrauch)(注2)を尊重しつつも、自らの理解を自らの言動で示し、その共同体の他者と共に、その理解の未来を試行錯誤しながら実現してゆく。

この点からするなら、日本の大学生の学びも、期末試験用紙という閉ざされた媒体によって吟味されるだけでなく、ケース授業のように教室内という、閉ざされてはいるが、学習者個々の私秘的な心を超えた公的な空間で探究される必要がある。さらには、教室という空間も超えて学習者が自らの理解を公的に示すことも、積極的に試みられるべきであろう。本稿では、そのような試みの小さな一つとして、筆者の「英語動画紹介のWeb公開」実践をごく簡単に紹介する。

2 学びの空間は電子的に拡張される

筆者は「英語動画で高度な英語説明力をつけよう!」というブログを2011年4月5日に開設し、以来今日(2012/02/13)に至るまでで約180本の英語動画の紹介をしている(注3)。紹介といっても、これは筆者ではなく学生によるものであり、学生は自らが興味をもち、かつ英語学習の点でも有用と感じた英語動画(多くはTED(注4)からのもの)を日本語で紹介している。紹介項目は、必須項目が「動画のタイトル」、「動画のURL」、「動画の内容紹介・解説」、「動画の中での印象的な英語表現」、「紹介者の名前(ニックネームか実名)」であり、任意項目として「紹介者のTwitterアカウント」、「紹介者のブログなどのURL」が設けられてある。

学生としてはたとえ匿名だとしても自分の紹介文が、広く公開されるのでそれなりに気を使って紹介文を書こうとするし、学生同士でもお互いの紹介文に刺激を受けていることはしばしば筆者も耳にしている。この学生の紹介文は、主に授業用のWebCTシステムによって提出させ、筆者がまとめてブログに掲載している。掲載と同時にその知らせをツイッターでも流すが、流す度に何人かの方はそのツイートを「お気に入り」にしたり「リツイート」したりして、この情報を活用してくださっている。

このような広がりは、紹介文を書く学生にとっても、紹介文を読むブログの一般読者にとっても有益な、いわゆるWin-Winの体制になっているのではないかと自負している。この英語動画紹介は、以前は授業受講者だけが参照できるWebCTシステムで行なっていたが、これを広くブログで一般公開したのは成功だったのではないかと考えている。


3 HTMLの簡単な学習の効果

しかしこのブログ公開も、当初は筆者にとって大きな負担であった。WebCTシステムなら、学生が投稿した紹介をそのまま他の学生も閲覧できるが、ブログ公開するためには、筆者がいちいち紹介された英語動画のリンクや埋め込みのHTMLを設定しなければならなかったからである。HTML設定といっても簡単なもので、たかだか一つの紹介に数分かかるだけであるが、一度に20-30本紹介するとなると、その時間負担は結構なものになる。忙しい時など、学生の紹介をWebCTシステムに残したまま、ブログ公開できないままに終わってしまった。

このHTML設定の単純作業を、TA (Teaching Assistant)を新たに雇用して行わせることも一瞬考えたが、それよりも、Webの基本言語であるHTMLの初歩を学生に教えて、学生にHTML設定をテキストファイルでさせて、筆者は基本的にそのテキストファイルをブログにそのまま貼りつければいいだけの体制にした方が教育的にも、効率的にも良いことに気づいた。

そこで、HTMLに関する基本的解説をブログに掲載し(注5)、なおかつ、すぐにHTML設定ができるようなテンプレートも用意した(注6)。その結果、多くの学生は、筆者がコピーするだけでブログ公開できるHTML設定ができるようになった。一部の学生は、最初はHTMLという言葉を聞いただけで敬遠していたが、HTMLの基本解説をして恐怖心を取り除くことを試みたところ、きちんとHTML設定ができるようになった。

しかしごく少数の学生は、半年たってもHTML設定に慣れず、筆者がそのままコピーしただけではエラーになってしまうようなファイルしか提出できていない。筆者の立場からすれば、HTMLに関する基本的な解説を行い、かつそれを参照すれば必ずできるようなテンプレートも用意しているので、HTML設定に失敗するわけがないと思い込んでいるのだが、少数とはいえ、未だにHTML設定ができない学生がいるということは、まだどこかに落とし穴があるということである。現時点で考えていることは、そのような学生に手取り足取りでHTML設定をさせても、条件が少しでも変わればその学生はできなくなるであろうから、基本的な理解と「習うより慣れろ」式の実践の両方を重視する方法が好ましいのではないかということである。これは今後の課題の一つとして考え続けたい。

このように大学の学びを社会に開くためには、理解に関する教師の認識論の変容だけでなく、具体的で瑣末ともいえる技術的指導も重要であると筆者は考える。このことに限らず、教育学研究では、抽象性と具体性の両極を大切にしたい。

(注1)
(注2 )
ウィトゲンシュタイン『哲学的探究』43節の有名な箇所("Die Bedeutung eines Wortes ist sein Gebrauch in der Sprache.")に基づく表現。
(注3)
(注4)
(注5)
(注6)