【内容紹介】
柳瀬先生がお奨めしてくださったDANCES WITH WOLVESを観て、授業で教わったとおり、言語コミュニケーション力の表現がうまくなされている作品だと思ったので紹介させていただきます。
ネタバレもあるので詳しい内容は各自でwikipedia等で調べていただきたいのですが、概要と致しましてはアメリカ南北戦争時のフロンティア政策を舞台に軍人の主人公John Dunbar(Dances With Wolves)とあるインディアン部族の心の交流を描いた作品です。
当然のことながらはじめのうちはお互いに会話も儘ならず、たとえば、主人公とインディアン聖職者のKicking Birdsは英語の'buffalo'とインディアン言語の'tatanka'をジェスチャーだけで一致させたり、通訳役に選ばれたアメリカ生まれインディアン育ちのStands With A Fist(のちの妻)は英語文法をはっきりとは覚えていないようで文が単語の連続になってしまったりします。
これらの場面は授業で教わった言語コミュニケーション力、すなわち
1.心を読む力
(a.言語を使わずに~ b.言語を通して~)
2.身体を使う力
(a.非言語的に~ b.言語的に~)
3.言語を使う力
(a.前・文法的に~ b.文法的に~)
をそれぞれ当てはめながら観てゆくとより効果的だと思います。
最後に個人的に印象に残った場面を2箇所紹介して終わります。まずは、終盤にStands With A FistがJohn(Dances With Wolves)に伝える'My place is with you. I go where you go.' 生まれはアメリカであれ、育てられたのはインディアンという彼女がたどたどしくも口にしたこの言葉にはその文字通りの意味以上に伝わってくるものがあります。
次に、これも終盤でインディアンの親友Wind In His HairがJohnに別れを告げるために叫ぶ'Dances With Wolves. I am Wind In His Hair. Do you see that I am your friend? Can you see that you will always be my friend?' これは実際にはインディアン言語での叫びですが、それまで約3時間も言語コミュニケーション力について考えながら観ていると言語そのものはわからないなりに伝わってくるものがあります。
興味を持ってくださった方はぜひご覧ください。
【印象的な英語表現】
'We come far...you and me. I will not forget you.'
これは作中最後の最後にある主人公John Dunbar(Dances With Wolves)と親友でよき理解者の聖職者Kicking Birdsの会話の場面でKicking Birdsが拙い英語ながら口にした言葉です。軍人ではあったが、インディアンのKicking Birdsたちと接するうちにいつの間にか本来の自分を見つけ始めていたJohn。そのJohnにはじめは不信感を抱きつつも、様々なことを通じてようやく親しみを覚えつつあったインディアン。そんな彼らのもとにやがてフロンティア政策を図るアメリカ軍の足音が迫ってきます。元軍人であるJohnは自分のせいで彼らの住む集落がアメリカ軍に悟られないようにとついに妻とそこから離れる覚悟を決めます。そのような状況でKicking Birdsが口にした上記の言葉は非常に重みがあります。
【紹介者】
JT
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